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2025.03.03
PMとNOxは減らせる!? ディーゼル車の排ガス浄化装置DOC・DPF・SCR・EGRについて解説!

近年の国際的な排ガス規制の強化に伴い、ディーゼル車には複数の排ガス浄化装置が搭載されるようになりました。

排ガス浄化装置は、ディーゼル車から排出される有害物質を大幅に削減し、環境負荷の低減に貢献しています。

前回の記事(気になる方は是非こちらから)でご紹介した「DPF装置」もそのうちの1つです。PM対策としてディーゼル車の排ガスをクリーンにするために欠かせない存在です。

今回は、排ガス浄化装置の中でも重要な役割を果たしているDOC・DPF・SCR・EGRについて、それぞれ解説していきたいと思います。

有害物質PMとNOxについて

自動車やトラックなどディーゼル車からの排気ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素化合物(NOx)、粒子状物質(PM)などの有害物質が含まれています。これらの物質はどれも、我々の人体には有害な物質とされており、地球温暖化や大気汚染の原因にもなるため、クリーンにしてから大気中に放出する必要があります。

その中でも特に低減しなければならない2大有害物質がPMとNOxです。PM(Particulate Matter)は、排気ガス中の唯一の固体物質で、燃料が燃え残った際に生じたススです。粒径が100分の1ミリメートル以下と微細な粒子で大気中に浮遊することから、浮遊粒子状物質としても知られています。NOxは一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(N₂)などの窒素化合物の総称のことです。大気中の他の物質と化学反応を起こし、酸性雨や光化学スモッグを発生させる原因にもなります。

ディーゼルエンジン搭載車では燃料に軽油を使用するため、これら2つの物質は必然的に発生してしまう物質になります。

PMは空気が過不足の状態で燃料が燃える不完全燃焼のときに発生しススとして残りますが、その一方でNOxは、燃焼温度が高くなったときに空気中の酸素と窒素が反応して発生します。つまり、PMを減らそうとするとNOxが増えてしまうのです。

このように、対極的な関係にあるPMとNOxは同時に減らすことができないことから、ディーゼル車にはPMを低減する浄化装置とNOxを低減する浄化装置の両方が搭載されています。

PM対策-排ガス浄化装置:DOC/DPF

PM対策としてまず搭載される浄化装置がDPFアッセンブリです。DPFアッセンブリはDOCとDPFから構成されますが、DPFの前段には一般的に、DOC(Diesel Oxidation Catalyst)と呼ばれるディーゼル酸化触媒がつけられています。これはハニカム構造をした酸化触媒のことで、排ガスがまず初めに到達する場所でもあります。

この酸化触媒は、主に白金やパラジウムなどの貴金属が中に入っており、排ガスは約200度で流れてきた後、この酸化触媒に触れることで、600度にまで上昇しての高温ガスになります。そして、この触媒作用により排ガスに含まれる一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を高温で酸化させて、人体に無害な二酸化炭素(CO₂)や水蒸気(H₂O)に変えることで、排出量を低減する役割を果たします。

また、同時に一酸化窒素(NO)も酸化させて、 二酸化窒素(NO₂)に変える働きもします。DPFはDOCの後段にあります。DOCで除去しきれなかった軽油の燃えカスであるPM(スス)がDOCから流れてきた後、DPFにあるフィルターによって捕集され除去されます。

実際には、高温のガスがDPFに吹き付けることで、PMをさらに高温度で燃焼させてDPFに溜まったススは燃焼されるのです。これらDOC・DPFの働きにより、PMは低減されクリーンなガスとして最終マフラーから排出されます。

NOx対策-排ガス浄化装置:SCR

NOx対策として搭載される浄化装置の1つがSCRです。SCR(Selective Catalytic Reduction) とは尿素触媒のことです。DOCとDPFの働きにより、排ガスに含まれるPMの排出量は削減されましたが、その一方でNOxは増えた状態になります。

これらを低減するため、SCR装置はDPFよりも後方に搭載され、尿素水噴射装置により、尿素水からアンモニアを生成し、NOxにアンモニア(NH₃)を加えることでNOxを窒素(N₂)や水(H₂O)に還元し、無害化させて排出します。このようにSCRの働きによって、NOxの排出量は低減されクリーンな空気が排出されることになるのです。

NOx対策-排ガス浄化装置:EGR

EGRクーラーもまたNOx対策として搭載される排ガス再循環装置です。EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは、エンジンから出た排ガスの一部を再びエンジン内の燃焼室に戻す技術のことで、この技術を用いて燃焼室へ戻るガスの冷却を行う装置がEGRクーラーになります。

NOxは空気に含まれる窒素と酸素が高温で反応して生成されます。そのため、EGRクーラーを用いて排出ガスの温度を下げた状態でエンジンの燃焼室に戻すことで、燃焼室内の酸素濃度は低くなり、NOxの生成量を減らすことができます。

このように、DOC、DPF、SCR、EGRとそれぞれの排ガス浄化装置が役割を果たすことで、排ガス中の有害な物質は大幅に削減され大気に排出されています。環境負荷の低減に貢献するためには、排出ガス浄化システムはなくてはならない装置なのです。

DPF洗浄というエコな選択肢

DPFは、自己再生機能を持つとはいえ、長期間の使用や運転状況によっては、再生が不完全な状態が続き、目詰まりを起こしてしまうことがあります。DPFが目詰まりを起こすと、エンジンの出力低下や燃費悪化、重大な場合には、排気ガスの流れが悪くなり、フィルターが損傷(ひび割れ又は焼損)する事やエンジンが停止してしまうといったトラブルに繋がる可能性があります。

DPF洗浄のメリット

例えば、ストップ&ゴーを頻繁に繰り返すトラックやバスの場合、DPFが目詰まりを起こしやすい傾向にあります。 DPFの定期的な洗浄は、目詰まりによるエンジン性能の低下を回復し、燃焼効率の向上と燃費改善に繋がります。DPF洗浄は、DPF交換に比べて廃棄物が出にくく、環境負荷を低減することができます。また、DPFの寿命を延ばすことで、長期的に車両の維持費を削減することができます。

DPFマフラー洗浄前
DPFマフラー洗浄後

DPF洗浄なら、欧州・米国で30万件以上の実績を持つ「Ceramex社」の技術を用いた洗浄を行う「リトラス・セラメックス」にお任せください。この技術は日本でも特許取得済みです。

精製水と圧縮空気を併用するリフレッシュシステムは、ススや灰などの有害物質を高レベルで除去し、短時間で洗浄・乾燥を行います。

赤外線や光検査による徹底的な点検、空気流速試験による流量・流速測定と検査レポート発行など、10万件以上の豊富な実績が信頼の証です。この技術は日本国内でも特許を取得しています。

長年の経験と実績に基づいた確かな技術で、お客様の愛車をサポートいたします。DPFのことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。専門スタッフが、お客様の車両に最適な洗浄プランをご提案いたします。DPFの目詰まりでお困りの方は、ぜひお問い合わせください。